外国人観光客で銀座の街は変わる?

大阪から銀座に拠点を移して3年半が経ちました。

「住むところがあるの?」「お買い物が不便では?」とよく聞かれますが、わたしが住むエリアはマンションも多く、路地には地域猫がいたり、小さな八百屋さんがあったりと、昔の風情が残る街並みで住みやすいところです。

出張でよく利用する、羽田や東京駅にも近く、都内のあらゆる場所にも出かけやすいところも気に入っています。

もちろん銀座の中心部にも近いので買い物や食事をするお店はもちろん、ハイブランドのお店も多く、新しい情報や刺激も溢れています。

アパレルのブランドから飲食店まで、あらゆる小売りやサービス業にとって、銀座に店を構えることはひとつの目標であり、企業にとってステイタスでもあります。

東京にはこのような「最先端」の街がいくつもありますが、特に銀座は「お金を落とす人が集まる街」と考えられ、例えばヘアサロンといえば、以前は「表参道」「青山」のイメージが強かったのが、今は「銀座」の店舗数が一番多くなっているようです。

 

そんな「銀座」もここ1〜2年、外国人観光客が激増し、平日の昼間の中央通りは90%外国人といっても大げさではないくらいです。

銀座を歩いていると、スマホを見ながら場所を探している外国人によく遭遇します。

向こうから聞かれることもありますし、どこに行くのか興味があるので「困っていますか?」と声をかけると、中国人観光客は「ハイブランドのお店」か「マツモトキヨシ」に行きたいという方がとても多いです。

欧米人(というのも大雑把ですが)は、「有名な”ある”寿司店」や「有名な”ある”天ぷら店」など、飲食店を聞かれることが多いです。

たまたまかもしれませんが、中国人は他国の観光客に比べ、日本の食文化より「買い物」に興味があるのは間違いないようです。

銀座に外国人観光客、特に中国の観光客が多い理由の一つに2013年11月に銀座「ラオックス」が開業したこともあるでしょう。

ユニクロ銀座店がオープンしたのが2012年3月16日、それから約1年半後のことです。

ラオックスの前、銀座5丁目から6丁目の交差点付近には、毎日中国人観光客を乗せたバスがぞくぞくと停められています。

 

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バスから降りた観光客はラオックス〜ユニクロ〜ハイブランドショップ〜マツモトキヨシといったおきまりのコースを回り、「爆買」を楽しむようです。

多くの外国人観光客が日本に訪れて、買い物や観光、日本の食文化を楽しむことは大いに歓迎しますが、ラオックスに横付けされるバスの多さや、乗り降りする人の多さで歩道に人が溢れる現状に、改善する必要があるのでは…と思っていた矢先、こんなニュースを見つけました。

 

ラオックスが「ニューメルサ」に銀座2号店、ユザワヤ等撤退

以下、記事本文より

 

【銀座新聞ニュース=2015年5月27日】大型免税店を展開するラオックス(港区芝2-7-17、住友芝公園ビル)は9月18日に「銀座EXITMELSA店」(中央区銀座5-7-10、ニューメルサ内)を開店する。

ラオックスが銀座に店舗を出店するのは、2013年11月に開店した「ラオックス銀座本店」(中央区銀座7-9-17、03-6858-3231)に続いて2店舗目で、全体では24店舗目になる。

旧「ニューメルサ」は名古屋鉄道(愛知県名古屋市中村区名駅1-2-4)の子会社、メルサ(愛知県名古屋市中区栄3-7-13)が中村積善会ビル(中村積善会が所有)を全館借りする形で1977年に開業したファッションビルで、リニューアルするため2015年1月31日で営業を終了していた。

メルサは9月18日にリニューアルオープンするのに伴い、「ニューメルサ」を「イグジットメルサ(EXITMELSA)」に改称することを決めた。地上8階、地下2階、37店舗が入店する予定。今回、出店を決めたのはラオックスのほか、イタリアンのシューズブランド「ザ・フレックス(The FLEXX)。

 

鎌倉のシャツ店「メーカーズシャツ(Maker’s Shirt)鎌倉銀座店」、ロシア料理店の「渋谷ロゴスキー 銀座本店」、レストランの「ラシーヌ ミートボール&ファームショップ(RACINES Meatball&Farmshop)」などだ。

 

ラオックスが展開するのは4階の一部と5階、6階の全フロアで、「ラオックス銀座イグジットメルサ(EXITMELSA)店」(仮称)は、銀座本店よりも、「モダンで“ポップ”な日本のイメージをコンセプトに、お客さまにゆったりとおくつろぎいただける空間と人気のメイドインジャパン商品、ラオックスでしか買えない商品を多く取り揃え」るとしている。

 

売り場面積は4階が69.26平方メートル(20.95坪)、5階と6階が1517.36平方メートル(459坪)。

ニューメルサの5階はユザワヤが全フロア借り、6階はウイッグユキ銀座店、嵩山堂はし本、青花堂、広池ヨーガ健康研究所が出店していた。これらが撤退し、今回、ラオックスが進出することになった。

 

ウイキペディアによると、ラオックスは谷口正治(たにぐち・まさじ、1913-2009)が1930年に東京都墨田区で創業した電気器具の行商が始まりで、1939年に「谷口商店」を開店し、戦時中に谷口正治が海軍に招集されたことにより休業し、終戦後に神田須田町に谷口商店を再建した。

 

1948年には「谷口電機株式会社」に商号を変更、家電小売部門を分割して「朝日無線電機株式会社」を設立、1963年の千葉店の開店を皮切りに郊外に多店舗展開をはじめた。1976年9月に「ラオックス株式会社」を設立、10月には朝日無線電機の店舗の営業を譲り受け、ラオックスとして営業を開始した。

 

1970年代後半から1980年代前半にかけてはオーディオ機器、1980年代後半からはパソコン関連を中心に業績を伸ばし、地場量販店との業務提携や子会社化を通じて店舗網を拡大し、2000年代初頭には年商2000億円以上にまで拡大した。

しかし、その後、業績が悪化、郊外店をすべて手放し、2009年8月に中国で約1500店の家電量販店を展開する蘇寧電器(そねいでんき)が資本参加し、同時に中文産業と日本観光免税の社長である羅怡文(ら・いぶん)さんが社長に就任し、中国人をはじめとする外国人観光客向けの免税店として再建を図った。

その結果、2014年12月期に連結売上高501億9600万円、営業利益17億3600万円、純利益12億4200万円と2001年3月期以来14期ぶりとなる最終黒字を達成している。現在、株主は蘇寧電器グループの「グランダ・マジック」(約50.6パーセント)と「グランダ・ギャラクシー」(14.1パーセント)が64.7パーセントを占め、日本観光免税が12.4パーセントで中国系企業3社で77.1パーセントを所有している。

 

 

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「ラオックス」がもう1店舗増えたら、銀座の中央通りはどうなるのでしょう?

これ以上横付けのバスが増えたら…と思うのと同時に、ここでは詳しく書きませんが、現状の道路や店舗で起きている外国人の良くないマナーがますます増えるのは間違いないでしょう。

 

日本はサービスが素晴らしい、と世界から言われています。

もちろんこのことは大切にしつつ、やはりここは日本なのだから、日本のマナーにそぐわないことに関しては、はっきり「ノー」を言わなければならないですね。

 

また、世界の人たちが注目しているものは、日本人としては当たり前のように思っていた、日本にもともとあったものがほとんどです。

工芸品にしても、電化製品にしても、薬や化粧品にしても、ファッションにしても、私たちが普通に目にしたり、使っていたものが、外国人からすると「丁寧に作られていたり」「とてもこだわりがあったり」「おしゃれだったり」「便利だったり」「おもしろかったり」するようです。

「爆買」狙いで外国人観光客向けの商品を開発しているところも少なくありませんが、この勢いがいつまで続くのかはわかりませんから、観光客バブルをアテにするより、本当にいい物を作り続けることの方が大切だと思います。

商品を気に入ってもらえたと思ったら、タグの「中国製」を見て、買うのを止める中国人も多いことですし(笑)