カリテスが考えるパーソナルカラー02:似合うとは?
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私たちが日常的に使う「似合う」という言葉があります。
お客様に「似合うとはどういうことですか?」と聞かれたら、皆さんはどうお答えしていますか?「似合う」というのは本来主観的なものですが、プロとしてご自分の中で「似合う」の定義を持っていますか?
パーソナルカラリストの「似合うの定義」も人それぞれでしょうし、ファッションアドバイザーの「似合うの定義」と美容師の「似合うの定義」もそれぞれかもしれません。
自然界がくれる色彩の美しさ
「似合う」を考える前に、自然界の色に目を向けてみます。
夕焼けの空には色々な色彩が混ざり合い、美しいグラデーションを見せてくれます。
このように黄色っぽいグラデーションやオレンジのグラデーションもあれば
青みがかった夕焼けや、空がパープルに染まることもあります。
オレンジの夕焼けはその下に広がる街並みもオレンジ色に染め、そのグラデーションの色合いを美しく感じる方は多いと思います。
パープルの夕焼けは、その色のイメージから神秘的なムードを感じ、パープルに包まれた景色が刻々と変わっていくさまに、目を奪われた経験がある方も多いでしょう。
植物の色にも目を向けてみます。朱赤のチューリップにはキミドリの葉や茎がよく合い、ワインレッドのバラには青みのある深いグリーンの葉がなじんでいます。
このように自然界にある景色や植物の美しい色彩には、「黄みがかった色のグループ」「青みがかった色のグループ」があると考えられ、パーソナルカラーの源である「イエローベース」「ブルーベース」の考え方ができました。(※イエローベース、ブルーベースの起源には諸説あります。)
わたしたちが色について考えるとき、暖色、寒色という色の分け方をしますが、同じ暖色の赤でも「黄みがかった朱赤」と「青みがかったローズレッド」というように、すべての色みを「黄み」か「青み」か、に分ける考え方です。
そしてイエローベース、ブルーベースをそれぞれ四季の色のイメージになぞらえ4シーズンカラーが誕生しました。
多くの人はまとまりのあるこの色のグループを見て「美しい」「なじむ」と感じると思います。
イメージ作りに使いやすい4シーズンのカラーグループ
この4シーズンの色のグループはファッションのイメージを作ったり、配色を考えるときに非常に便利です。
春夏秋冬、それぞれの色とビジュアルからどのようなイメージが感じられますか?
春は「明るい」「元気」「楽しい」…
夏は「エレガント」「静か」「優しい」…
秋は「落ち着いた」「あたたかい」「大人っぽい」…
冬は「鮮やか」「シャープ」「クール」…
などと、それぞれの色のグループから、ムードやイメージを感じさせ、これらの色のグループは、ファッションやあらゆるデザインの配色にも役立っています。
では人も、このようなまとまりのある色のグループで配色すれば、「美しい」「似合う」になるのでしょうか?
パーソナルカラーはその人に似た色のことではない
パーソナルカラーの考え方には「その人が持っている色が、その人に似合う色」という考え方もあります。
なのでネット上でも「肌の色は?」「髪の色は?」「目の色は?」という質問に答えていくと、「あなたのパーソナルカラーは○○タイプ」というような簡易診断も存在します。
もしかすると、パーソナルカラーが日本に普及しはじめた頃は「なじむこと」「同じような色を重ねること」が「似合う」ということだと思われていたのかもしれません。
でも今はどうでしょう?ひとりの女性が「母の顔」「妻の顔」「働く女性の顔」と、色んな役割を持ったり、男女問わず色々な仕事や社会活動をし、いくつもの肩書きを持つ方も少なくないと思います。
「いつも同じイメージの○○さん」もいいですが、会う相手、出かける場所、そのときの自分の役割などによって、着るものも、人から見られる印象も変えている方が多いのではないでしょうか?
また、人の魅力を語るとき「振り幅」や「ギャップ」という言葉がよく使われるようになりました。
お笑い芸人さんがシリアスな役を演じたり、 清純派といわれる女優さんが汚れ役を演じたり、これらのギャップはその人の新しい魅力になり、話題にもなります。芸能人、女優さんに限らず、色んな顔、色んな表情を持つ人が魅力的なことは誰もが感じていると思います。
パーソナルカラーは色々な似合い方を楽しむツール
パーソナルカラーは、時代とともに進化しています。今までの似合う色はこれ、タイプはこれ、というものから「色んな似合い方を楽しむためのツール」へと変化してきています。
多くの人は、服の色として経験したことがない色が必ずあると思います。「似合う色を知る」ということ以前に、お店の試着だけではなかなか体験できない何十色、何百色の色を経験することや、この色を着ると自分の印象がどう変わるか、を知ることはとても楽しいことですし、その方にとって大きなメリットだと思います。
ただ、「その人に似た色が似合う色」であれば、「パーソナルカラー診断」も簡単にできると思いますが、「似合う」というのはそんなに簡単なものでも、単純なものでもありません。
でも矛盾があるように聞こえるかもしれませんが、「好き」であれば、パーソナルカラー的に「似合いにくい色」も着こなせるということもあります。
基本的にはその人が持っているものと、その人が似合うものは似ていることが多いのは確かだと思います。でも必ずしもそうではありません。
「似合う」は誰にでもたくさんありますし、顧客に多くの「似合う」を知ってもらうのがわたしたちカラーのプロの仕事です。
パーソナルカラーは「似合う」ということを考える入り口であったり、自分を変えるきっかけになったり、色の楽しさを知るものではありますが、前回も書いたように「似合う色を知ることがゴールになる」ものではありません。
そのことを知ることで個人の顧客はもちろん、ファッションや美容の仕事や接客がより幅広く、より深く、より楽しくなるためのものが、これからのパーソナルカラーです。
長文におつきあいくださりありがとうございます。
「カリテスが考えるパーソナルカラー」は、まだまだ続きます。
次回は「パーソナルカラーはもっと楽しく使える!」をご紹介します。
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