カリテスが考えるパーソナルカラー03:ファッション販売への活用編

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前回は「似合う」について考えました。

人を色として見たとき、その色に似た色、なじむ色が似合う=パーソナルカラーであれば「似合うとは?」の答えは簡単かもしれません。しかし実際は「なじむ=似合う」とは限らないですし、会う相手やTPOによって「似合い方」は様々であり、私たちはその時々の自分にふさわしい色を使いこなすのがこれからのパーソナルカラーだと考えると書きました。 

 

「なじむ=似合う」の枠を外せばパーソナルカラーの活用はもっと広がる

 

今までパーソナルカラーは、「その人に似た色」だと考えられていたことが多かったため、その人がどんな肌色か、どんな髪色か、どんな目の色か「その人がもともと持つ色」をチェックすることが重要とされていましたが、なじむことだけが似合うの定義でなければ、パーソナルカラーはもっと広く活用できることがわかります。

ファッション販売、ネイリスト、ヘアメイクの仕事に携わる方も、パーソナルカラーを学ぶと「お客様の肌色や目の色、髪色をチェックして、何タイプかを見極めて似合う色をおすすめすればよい」と思ってしまいがちですが、その考え方を一度リセットしてみてください。

パーソナルカラー「診断」では、その人に似合う色、タイプに落とし込むことまでが求められますが、「パーソナルカラー」は、似合う色を診断することもその分野の一部ですが、色によってお客様を見られたい印象に導いたり、コーディネートのアドバイスをしたり、服の色で顔や肌のダメージをカバーしたりするための接客ツールにもなると考えるとその活用の場はより広がります。

誰でも自分に似合う色が知りたいのは当然ですが、ファッション販売員、ネイリスト、ヘアメイク、これらの仕事は「似合う色」「パーソナルカラータイプ」を診断、判定することが仕事ではありません。

お客様にファッションやヘアメイク、ネイルをより楽しんでいただき、より多く利用していただくことが仕事です。

前置きが長くなりましたが、今回はファッション販売の現場ですぐ活用できるごくシンプルでわかりやすい、パーソナルカラーについてご紹介いたします。

(ファッション販売を仕事にされている方が読んで下さっていることを願って)

 

基本的に顔色は服の色と同化する

 

まず覚えておいていただきたいのは「顔色は、そのすぐ下の色が同化する」ということ。

「パーソナルカラーは対比」という考えもありますが、基本的には同化すると考えます。

同化と対比についてはまた別の機会にご紹介します。

 

また、「パーソナルカラーはブルーかイエローかだけが大事なのではない」ということ。

色の属性、明度や彩度、清濁によって顔色が変化すること。

 

実際に見てみるとわかりやすいでしょう。(モデルがわたし自身で失礼します。)

もちろんここで紹介するわたしの写真は、どれも色補正していない同じ画像です。

実際に服を着た状態ではありませんが、同化現象が確認できます。

 

まず「イエローとブルー」左の黄みがかかったサーモンピンクと右の青みのあるローズピンク

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左のイエローベースの方は、顔色にもうっすら黄みがのってオレンジっぽく見えますし、

右のブルーベースは左に比べて、黄みが抜けて肌がピンクっぽく見えます。

唇の色も左右で違う色に見えます。

 

次に「明度:色の明るさ」明るいグレイと暗いグレイを比べます。

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左の顔色が明るいのに対して、右は顔色が暗く引き締まった感じがします。

 

次に「清濁」濁りのない色と濁った色を比較します。

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左の濁りのない色は、顔がはっきりつややかな感じで、右はソフトに感じにぼかしたように見えます。

 

最後に「彩度:色の鮮やかさ」色の鮮やかさで比べます。

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左の鮮やかな色の方が顔立ちもくっきり見えますね。この色は明度の差もあるので、右の暗い色の方が顔色も暗く見えます。

「似合う」という主観的な視点を外してこうして「色」としてみれば、その違いは歴然でその理論も非常にシンプルです。

イエローベースの色は、顔に黄みを足し、健康的に見え、ブルーベースの色は色味を抜いたように色白に見せる効果があります。

顔のすぐ下にある色の特徴がそのまま顔色に影響するので、明るい色を着れば顔色も明るくなりますし、暗い色を着れば顔が暗く引き締まって小顔に見えます。

清色は顔に透明感を出し、クリアな印象に見せ、濁色は顔をマットでソフトに見せる効果があります。 

彩度の高い色は、顔をハッキリクッキリ見せ、彩度の低い明るい色は、やはり顔を明るく、彩度の低い暗い色は、やはり顔を暗く見せます。

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これは、どなたに色を当てても同じ効果が出ますので、店頭で、この人の肌色は?目の色は?…なんてお客様を前に悩む必要はありません。

またお気づきのように、色は比べることでその効果がよりわかりやすくなります。

お客様が色で迷っておられたら、このように「イエロー&ブルー」で比べたり、「明度:明るさ」で比べたり「清濁:色の濁り感」で比べてみるとその違いがよりわかりやすいですし、色の属性によって、顔色がどう変わるかをお伝えすれば、無理にどちらかをすすめなくてもご自分で色を選ばれるでしょう。 

「どちらがわたしに似合うかしら?」例えばお客様が、ブルーベースの色とイエローベースの色で迷われていたら「こちらのお色は、お客様の顔色がより健康的でいきいきとした感じになられます。こちらのお色だと、顔色がすっきり色白に見えてより女性らしくエレガントな印象です。」

とお伝えすれば「顔が明るく白く見える方がいいわ」や「顔色が悪いと言われることが多いので、こちらの方がいいかしらね」など、おそらくご自分の希望される印象をお選びになると思います。 

その際「パーソナルカラー的ではなく」、こうしたコミュニケーションを通して生まれた「お似合いになります」の言葉は、お客様の心にも響くものになります。

ファッションの販売員さんに向けて書いたのでパーソナルカラーや色の基本を、ある程度理解されていることを前提に細かい解説は省きましたが、わかりにくい点があれば気軽にサイトから問い合わせて下さい。

また、ぜひこのようなカラーチェックを店頭や自宅でも鏡の前でやってみてください。

 

パーソナルカラーが役立つ仕事はまだまだある

 

ここで紹介したパーソナルカラーの知識はプロであれば、多くの方が知っていることだと思います。

それを対象の職業に合わせて「伝える技術」を身につけ「相手がそれを使えるようレクチャーする」ことができれば、これは講習・研修というきちんとした仕事になります。

パーソナルカラー診断ももちろん素晴らしい仕事ですが、パーソナルカラーの理論やスキルが役立つ仕事はまだまだあります。今後はこのような「現場を持っているプロ」対象の講習、研修の仕事をしたい人が増えることを祈っております。

「カリテスが考えるパーソナルカラー」は、これからも続きます。

長文におつきあいいただきありがとうございます。

 

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