GW前のことになりますが、大阪のオンワード樫山で販売員対象のカラーセミナーを実施しました。
毎年、2年目の方を対象に年に3回を、もう10年ほど担当させていただいています。
2時間半、年に3回という限られた時間の中で「色彩の基本」「配色の基本」「パーソナルカラーの実践」「トレンドカラーの活用」を伝えながらワークも取り入れるので、毎回毎回駆け足の講習です。
年度によって異なりますが、70〜100名くらいの販売員さんが受講されるので、なかなかおひとりおひとりの理解度を確認することは難しいのですが、アンケートを見る限りでは、店頭での接客、お店でのディスプレイ、配色の提案など、実務に役立ててくださっているようです。
とは言え、アンケートはいいように書いてくださるだろうし、オンワードの担当の方も講習内容がどんどん進化していて素晴らしいとお褒めくださいますが、実際どれくらい役立っているのか、数字だけで測れるものではないのでいつも試行錯誤しています。
とにかく「より役立つ講習を」「前回よりもいいものを」「常に自己ベストを」とここ10年取り組んできましたが、先日非常に嬉しい出来事がありました。
6月号の月刊「ファッション販売」で、以前にオンワードで講習を受講された販売員さんが取材協力してくださったのです。
ここでも何度か書きましたが、ファッションのカラーには正解がありません。
カラーの講習を受ける方の中には「どの色とどの色が合うのか、合わないのか知りたい」「似合う色の識別の仕方が知りたい」など、「答え」や「方法」を知りたいと考える方が多いのですが、講習とは「答え」や「やり方」を知るためだけのものではなく、学んだことで自分の思考や行動を変えるものだと、わたしは考えています。
なので、人によっては色の魅力やその深さを知ってもっと知りたくなった人もあれば、一時的に「問い・なぜ?」の深みにはまってしまう人もあるかも知れません。
でも、販売員さんには毎日実践する売り場、現場があります。常に問いに対して仮説を立て、実践することができるのです。
色彩の基本もパーソナルカラーの基本も、そんなに難しいものではありません。覚えるべきことだけしっかり覚えておけば、あとは実践し「自分のもの」にするだけです。
方法、やり方は人それぞれですし、極端に言えばどんなやり方であってもいいのです。実践を繰り返すことによって「自分のやり方」というものを身につけることが大切です。
取材協力してくださった方の記事をご紹介します。
23区 大丸梅田店の工藤実花さん。
五大陸 阪急メンズ館大阪店の西藪大喜さん。
それぞれインタビュー記事もたっぷり掲載されていますので、ぜひ月刊「ファッション販売」6月号をご覧になってみて下さい。
工藤さん、西藪さん、ありがとうございました。今後のますますのご活躍を楽しみにしています。
繰り返しになりますが、色彩の知識は「実践」として考えれば、それほど多くのものを必要としません。それをいかに活かすか、いかに自分のものにするかが重要です。
パーソナルカラーも「覚えること」が大事なのではなく、その知識やセンスをどこでどう使うかが大切です。
また、ファッションのカラー、配色にはトレンドがあり、それぞれの色が持つイメージも常に変化しています。
「知識」に縛られることなく、常にフレッシュな情報をインプットし、自分なりのアウトプットをすることこそ、「パーソナルカラーの実践」だと思います。
もっと繋がっていいはずの「ファッション」と「パーソナルカラー」が今までうまく連動できていなかった現状を客観視し、私たちはこれからも実践に役立つパーソナルカラーを伝えていきたいと考えています。
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