自社のトレンドカラーを発信しよう!

先日、南充浩さんの繊維産業ブログでこんな記事を見かけました。

「トレンド任せ」と「別注商法」は限界に達している

以下、ブログより引用

 大手セレクトショップや著名SPAブランドのショップを覗くと、全般的にシーズンごとにすべての商品が入れ替わっていることがわかる。
昨今はベーシックなアイテムでさえ、シーズンごとに作り変えてしまっている。
ベーシックとはどういうことかというと、白やグレー無地のTシャツだったり、無地のオックスフォードボタンダウンシャツだったり、レギュラーストレートのジーンズだったりというアイテムである。

一昔前ならこれらの商品は「定番」として長期間販売されていたし、作り変えるとしても数年に一度マイナーチェンジする程度にとどまっていた。

ジーンズショップだと必ず、リーバイスの501が置かれていた。
トラッド系のお店だとブルックスブラザーズのオックスフォードボタンダウンシャツやラコステの無地ポロシャツは必ず置かれていた。
「定番」を置かずにガラっと商材全てを変えることが果たして売上高につながっているのだろうか?
つながっていないのではないか。
つながっているなら今頃アパレル業界は増収増益の会社であふれかえっているだろう。

確かに今までは「定番アイテム」がそのブランドを語る、ということが多かったと思います。

そのブランドらしいこの1枚、そういうアイテムを見かけなくなったのは確かです。

特に今年は「ノームコア」の影響か、決して「定番」ではない「ノーマル」なアイテムが店頭に並び、あの店でも見た、この店でも見た、というようなものばかりで、店を見回っても服を見る楽しみ、買う楽しみが感じられないシーズンでした。

アパレルメーカーが「売れる服」「よそがやっているアイテム」の情報に、敏感に反応しすぎているのは消費者が見ても歴然です。

ファッションに限らず、たとえば飲食店でも「定番」がある店は強いです。以前もブログに書いたことがありますが、和食洋食中華、何でも食べられる居酒屋の人気が落ち、「うちは自信があるからこのラーメンだけで勝負」というメニューを絞ったお店が増えています。

やたらと新メニューを出しては、ネット上で消費者にダメ出しをくらい、売り上げも振るわない某ファーストフード店の戦略も、昔は通用していましたが今は…ご存じの通りです。

美容室にも昔は「こういうカットならここ」「○○パーマならあそこ」というような定番があったように思います。

この記事にもありますが、「定番がない」ということは、いつまでたってもそのブランドの顔がないということ、確かにそれはどんな業種にも言えることだと思います。

アイテムだけでなく、色もそう。

トレンドを単純に追いかけて、色を吟味せず、 安易にカラーバリエーションを決めた感が否めない商品は 服だけでなく、バッグ、雑貨、アクセサリーにもよく見られます。

うちのブランドの「黒」 、うちのブランドの「白」

色を扱うあらゆる企業、ブランド、ショップにもこういうこだわりが必要です。

「カラーバリエーション豊富でスゴいでしょ!」

「お客様のニーズに合わせて何色でもできます!」

少し前には価値のあったことも、今こんなことをしていたら、本当の差別化、競争力は生まれてこないと思います。

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定番同様、やはり「トレンド」も必要。

トレンドと言っても、単純に外部の情報、マーケティングに振り回されるのではなく、インプットした情報をもとに、自社のトレンドスタイルやトレンドカラーを発信するところまでして、はじめて「情報を活かした」ことになると思います。

以前、アメブロで紹介したものですが、オーケー化成株式会社という、プラスティック素材とその着色剤の会社は、インターカラー&JAFCAのトレンドカラーをおさえた上で、自社でプラスティックのトレンドカラーを発信しています。

こうして自社で独自のカラー情報を発信する取り組みを素晴らしいと思います。

今、ファッションの世界でも自社ブランドのシーズンカラーやテーマをきちんと打ち出していないところは多いですが、ファッションに限らず、ヘアサロン、ネイル、インテリアなど、色とデザインを提供しているビジネスで、自社のトレンドスタイルやカラーを打ち出すことはすぐに取り組めること、いや、すぐに取り組むべきことだと思います。

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会社のスローガンや理念を持つ企業は多いと思いますが、扱う商品の「色」や「デザイン」は、こうしてシーズン毎に見直し、発信することは会社のスローガン、理念と同様重要だと思います。

そしてその色やデザインも、理念に基づいたものでなければなりません。

売れる色を追いかけず、「売る色」を追いかけませんか?

自社のトレンドカラーについて考え、その情報を広く発信するサポートをいたします。

まずは気軽にご相談ください。

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